【第96期講座】2006年07月-2006年12月

松原 哲明の講座リポート


■はじめに
龍源寺の住職である松原哲明氏は、全国各地で「いのち」の大切さとよりよく生きる智慧として「般若心経」を分かりやすく紹介しながら、たくさんの人々に元気を届けておられる。また2005年4月から1年間、NHK教育テレビ「こころの時代」で『般若心経を語る』の講師を務め、大きな反響があったとのことである。

今回の講座では、宮沢賢治の11月3日に記された詩「雨ニモマケズ」をとりあげて、般若心経によって説かれている本質をわかりやすく解説をしてくださった。

■楽屋での話
松原氏を楽屋に迎えて少し打ち合わせをさせていただいた際、そのときに「あまり質疑応答は私の講演会ではふさわしくないと思います。なるべくなら質疑応答の時間がない方がよいのですが」と言われてしまった。

その理由を尋ねると、
松原:私が住職であるために、このような講演会での質問の多くが信仰についての話題になってしまう。私は信心の話をしたいのです。質問を受けると講演会で伝えたい内容が本来の趣旨とずれてしまうことにならないようにと思うのです。

松原氏によると、「信仰」は神仏からの救済を求めるもので、「信心」は悟りをもって本当の自分自身になっていくものだという。だからこの講演会を通して「信心」について知ってもらいたいし、ここで縁をもって出会った時空を共有しながら、何かを感じてもらいたい」と語っておられた。

そこで今回は、質疑応答の時間を最小限にして、松原氏と聴衆の皆さんが一期一会の出会いを大切にできるようにしようということになった次第である。

したがって今回の講座リポートも講座で語られた内容や解説的なものを一切排除したいと思い、松原氏の講演会に対する姿勢や価値観をまず紹介させていただいた。

講座に参加された皆さんは、松原氏と過ごした1時間半の時空を折にふれ思い起こしていただき、自分自身にとっての「無心」とは何かを追求していただければ幸いである。
今回、松原氏が文学を題材にしながら般若心経の本質である「空の心」を説いてくださったのは、宗教宗派を超えて各人がそれぞれの分野において「無心」の境地を得ることができ、信心の道を歩むことができるということを示してくださったのではないかと思えてならない。

参考までに、宮沢賢治の11月3日のメモは飛騨高山の田口公一さんのホームページ掲載されている。
http://www3.ocn.ne.jp/~gogouan/Ryokan/kenji.html
宮沢賢治の思いがあふれているメモである。

本リポートはTCC会員様の特典となっておりますので、転送・配布等はご遠慮ください。

2006年10月20日発行  NPO法人ザ・シチズンズ・カレッジ